- 複数足分析の基本的な考え方を解説
- おすすめの複数足のパターン15種類を紹介
- この記事を読めば複数足分析を理解できる
目次
FXで複数足を分析とは?
複数足パターン(11パターン)
パターン名称 | 発生場所 | 今後の値動き |
---|
被せ線 | 高値圏 | 下落方向への転換 |
切り込み線 | 安値圏 | 上昇方向への転換 |
陰のたすき線 | 高値圏 | 下落方向への転換 |
陽のたすき線 | 安値圏 | 上昇方向への転換 |
陰の包み線 | 高値圏 | 下落方向への転換 |
陽の包み線 | 安値圏 | 上昇方向への転換 |
陰のはらみ線 | 高値圏 | 下落方向への転換 |
陽のはらみ線 | 安値圏 | 上昇方向への転換 |
毛抜き天井 | 高値圏 | 下落方向への転換 |
毛抜き底 | 安値圏 | 上昇方向への転換 |
酒田五法(5パターン)
パターン名称 | 発生場所 | 今後の値動き |
---|
三山 | 高値圏 | 下落方向への転換 |
三川 | 安値圏 | 上昇方向への転換 |
三空 | ― | ― |
三平 | トレンド中 | 継続 |
三法 | ― | わからない |
FXのチャート分析の基礎の1つに複数足分析があります。複数足分析とはローソク足数本を一つのパターンとして次の値動きを予測する方法です。
この複数足の分析はパターンが発生する場所をセットで考えないと意味がありません。
これから複数足の分析について紹介しますが、複数足のパターンはチャート上のいたるところに発生します。
例えば「この複数足が発生したらトレンドが反転する可能性が高い」というパターンがあったとしても、機能しやすい場所と機能しにくい場所が存在するということです。つまり「この条件の時にこのパターンが発生したら可能性が高くなる」という分析を行っていく必要があります。
上記のことを踏まえ、この記事では複数足のチャートパターンを紹介するだけでなく、発生場所も含め実戦で使える複数足分析の基礎を解説していきます。
まず初めに、そもそも複数足って何?ローソク足で何が分かるの?という所を以下の内容で解説します。
複数足分析の基本的な考え方
- 複数足って何?:複数足の分析とは
- ローソク足で何がわかる?
- 発生場所が大切な理由
この記事を読めば、今まで複雑でよくわからなかった複数足分析をスッキリ理解し、「FXで勝つ」に繋げる武器として使いこなせるようになるきっかけがつかめるはずです。
それでは上記3点について解説していきましょう。
複数足って何?:複数足の分析とは
複数足とは最初に話したようにローソク足2本以上の集まりを1つのパターンとして捉えることです。反対にローソク足1本分のことを単体足と言います。単体足でも意味を持っていますが、複数足になることでより多く、より強い意味を持ちます。
このことを理解してもらうために以下の例を紹介します。
例)単体足と複数足
例えば上の図、左側が単体足のイメージで右側が複数足のイメージです。
左側の方は「O」が何なのか分かりますか?
「丸」かもしれませんし、「数字の0」、もしくは「アルファベットのO」かもしれません。
右側の方は「O」が何かはっきりと分かるはずです。
「O」の次に「1」があれば「O=数字の0」と判断するし、「O」の次に「P」があれば「O=アルファベットのO」と判断するはずです。
ローソク足に置き換えても同じです。陽線1本だけを見ても読み取れる情報は限られます。
「このくらいの長さの陽線が発生したから買いが優勢かな」くらいでしょう。しかし、次の足で陽線を包み込むような長い陰線が発生したらどうでしょうか。はっきりと下に行きたがっていることが分かります。
このように複数足を分析することで、「入り口(エントリー)と出口(イグジット)」が見えてきます。
入り口で使えることはもちろんですが、エントリー中に逆方向に行く可能性の高い複数足が出た場合に早めに撤退することにも使えます。撤退とまではいかなくとも、危険信号にいち早く気づかせてくれるのも複数足です。
複数足分析は今までぼんやりと見えていたチャートがはっきりと鮮明に意思を持って動いていることが理解できるようになると言っても良いでしょう。
ローソク足で何がわかる?
ローソク足には投資家全員の想いが詰まっています。全員の想いを1つ1つ、くみとっていくことで買いが優勢なのか売りが優勢なのかが見えてくるようになります。言い換えればFXは「あなた対チャート」ではありません。常に買いたい人と売りたい人がぶつかり合っている「人間対人間」の世界です。
買いたい人の心理と売りたい人の心理がぶつかり合って形成されるものが1本のローソク足です。そしてその投資家心理の集合体が複数足です。
例えば買いたい人と売りたい人の力が拮抗していた場合、1本のローソク足はほぼ動きません。十字線やコマ足などほぼ動きのないローソク足となって現れます。逆に多くの投資家が同じ方向の判断をして買い勢が勝てば大陽線となるし、売り勢が勝てば大陰線となります。
ローソク足には投資家の心理が現れ、時間の流れとともにローソク足、つまり投資家の心理が1つ1つ形成されていきます。
そして投資家が注目しているポイントで大きく動きます。それが形となったものが複数足です。
チャート分析とは投資家の心理をローソク足から読み取りながら分析していくことと言い換えることができます。
過去の流れと現在の流れを対比して今後の自分の行動を決めるのに、複数足パターンの分析は欠かせません。
発生場所が大切な理由
複数足分析は発生場所が大事と最初に話しましたが、複数足パターンの発生場所とは上図のAとBの2つのポイントに分けることができます。
場所 | 名称 | ポイントの意味 |
---|
Aポイント | 高値圏 | そろそろ下降トレンドに転換する可能性 |
Bポイント | 安値圏 | そろそろ上昇トレンドに転換する可能性 |
言い方を変えると「高値圏」は「これ以上価格が上昇しないと投資家が考えるライン」、安値圏は「投資家がこれ以上価格が下がらないと考えるライン」となります。
実はこの高値圏、安値圏と複数足のパターンはセットとなり、違う場所で発生すると意味が無くなってしまうのです。
例えば後ほど紹介する「陰のたすき線」は下降への転換の可能性を表すパターンです。
つまり安値圏で発生してもこれ以上価格が下がらない部分ですから意味がないですよね。
- 投資家がこれ以上価格が下がらないと判断した結果、安値圏で発生するパターンが出た。
- 投資家がこれ以上価格が上がらないと判断したから高値圏で発生するパターンが出た
このように考えても良いです。
個人投資家はチャートを動かす存在ではなく、チャートの動きを予測しその流れに乗る事で利益を積み上げていますから、大人数が考える方向を読み取るために複数足を発生場所で覚えて利用するわけです。
まとめると次のようになります。
発生場所が大切な理由
- 多くの投資家が判断した結果が複数足のパターンとなるから
- 確立・期待値が高くなる
ただ、あまり考えてしまうと機会を逃してしまう原因になってしまいます。最初は自分が使えそうな数個を選び、「形」と「発生場所」を考えながら過去チャートなどで使い方を研究することから始めると良いです。
そのあとに多くの投資家がこう考えているはずと仮説を立てる事を繰り返せば自然と使いこなせるようになるはずです。
次章から合計15パターンを図解付きで紹介するので、チャートに1個1個落とし込みながら理解してみてください。
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FXですぐ使える複数足分析パターン(10パターン)
複数足のパターンは覚えきれないほどあります。その中でこれだけは覚えて欲しいパターンを10種類紹介します。
複数足のパターン(10パターン)
- 被せ線:高値圏
- 切り込み線:安値圏
- 陰のたすき線:高値圏
- 陽のたすき線:安値圏
- 陰の包み線:高値圏
- 陽の包み線:安値圏
- 陰のはらみ線:高値圏
- 陽のはらみ線:安値圏
- 毛抜き天井:高値圏
- 毛抜き底:安値圏
1つ注意点があります。
複数足パターンには同じ形でも名称が何個もある場合があります。そのため名称で覚えると混乱の原因になってしまいます。名称ではなく「形」「意味」「発生場所」をメインに以下の詳細解説を読んでいってみてください。
被せ線(発生場所:高値圏)
被せ線とは、大陽線(緑)の次に陰線(赤)が発生し、その陰線の終値が大陽線の中心よりも下で終わっているパターンのことを言います。
重要な発生場所は「高値圏」です。
投資家心理
強い買い圧力である大陽線の次の足が中心よりも下の陰線で終わったことにより「買いの圧力が弱まった」もしくは「売りの圧力が増してきた」と考えるようになります。
高値圏で発生することにより、下落方向へ転換していく可能性があります。
すでに買いポジションを持っている場合は要注意です。今後のローソク足を見て判断するパターンです。
切り込み線(発生場所:安値圏)
切り込み線とは、被せ線の逆で大陰線(赤)の次に陽線(緑)が発生し、その陽線の終値が大陰線の中心よりも上で終わっているパターンのことを言います。
重要な発生場所は「安値圏」です。
投資家心理
強い売り圧力である大陰線の次の足が中心よりも上の陽線で終わったことにより「売りの圧力が弱まった」もしくは「買いの圧力が増してきた」と考えるようになります。
安値圏で発生することにより、上昇方向へ転換していく可能性があります。
すでに売りポジションを持っている場合は要注意です。今後のローソク足を見て判断するパターンです。
陰のたすき線(発生場所:高値圏)
陰のたすき線とは、陽線(緑)の後に陰線(赤)が発生し、陰線の終値が陽線の安値を下回っているパターンのことを言います。
重要な発生場所は「高値圏」です。
投資家心理
買い圧力が優勢な中で安値を下回る陰線が発生したことで、売りの圧力が強くなってきたと考えるようになります。
高値圏で発生することにより、下落方向へ転換していく可能性があります。
ただし、上昇トレンド中に発生した場合は押し目として終わる可能性があるので、上位の時間足の方向性を気にべきパターンです。
陽のたすき線(発生場所:安値圏)
陽のたすき線とは、陰線(赤)の後に陽線(緑)が発生し、陽線の終値が陰線の高値を上回っているパターンのことを言います。
重要な発生場所は「安値圏」です。
投資家心理
売りの圧力が優勢な中で高値を上回る陽線が発生したことで、買いの圧力が強くなってきたと考えるようになります。
安値圏で発生することにより、上昇方向へ転換していく可能性があります。また、陰のたすき線同様に下降トレンド中の戻り目として終わる可能性があります。
陰の包み線(発生場所:高値圏)
包み線とは、2本目のローソク足が1本目のローソク足を包み込むように発生したパターンのことを言います。
陰の包み線とは、1つ目は陽線(緑)を包み込むように陰線(赤)が発生したパターンです。
重要な発生場所は「高値圏」です。
投資家心理
陽線が陰線に包み込まれたことにより、今までの買い優勢が全否定されたと考えるようになります。
高値圏で発生することにより、下落方向へ転換していく可能性があります。
すでに買いポジションを持っている場合は決済を意識した方が良い場面でもあります。
陽の包み線(発生場所:安値圏)
陽の包み線のとは、陰線(赤)を包み込むように陽線(緑)が発生したパターンのことを言います。
重要な発生場所は「安値圏」です。
投資家心理
陰線が陽線に包み込まれたことにより、今までの売り優勢が全否定されたと考えるようになります。
安値圏で発生することにより、上昇方向へ転換していく可能性があり、売りポジションの決済を検討するサインです。
陰のはらみ線(発生場所:高値圏)
はらみ線とは、包み線とは反対に2本目のローソク足が1本目のローソク足の中にすっぽりと収まって発生するパターンのことを言います。
陰のはらみ線とは陽線(緑)の中に陰線(赤)が収まるように発生したパターンです。
重要な発生場所は「高値圏」です。
投資家心理
陽線の中に陰線が収まることで、ここが天井ではないか?と考えます。買い勢の利益確定と新規の売り勢が入ってくることによって下落しやすくなります。
高値圏で発生することにより、下落方向へ転換していく可能性があります。
また、前のローソク足と比べて高値も安値も更新できなかったことから、買いと売りの力が拮抗していて「レンジ相場になっていくのではないか」という見方もあります。
陽のはらみ線(発生場所:安値圏)
陽のはらみ線とは、陰線(赤)の中に陽線(緑)が収まるように発生したパターンです。
重要な発生場所は「安値圏」です。
投資家心理
陰線の中に陽線が収まることで、ここが底ではないか?と考えます。売り勢の利益確定と新規の買い勢が入ってくることによって、上昇しやすくなります。
安値圏で発生することにより、上昇方向へ転換していく可能性があります。陽のはらみ線も発生後レンジ相場になりやすいパターンです。
毛抜き天井(発生場所:高値圏)
毛抜き天井とは、2本のローソク足の高値がほとんど同じ値で止まっている形で発生するパターンのことを言います。2本のローソク足に陰線や陽線の決まりはありません。
重要な発生場所は「高値圏」です。
投資家心理
高値更新を2回続けて挑戦したが「更新することなく止められた」ということはここが天井ではないか?と考えます。
高値圏で発生することにより、下落方向へ転換していく可能性があります。
毛抜き天井を下位足で見たときに、Wトップという強いチャートパターンになっています。
毛抜き底(発生場所:安値圏)
毛抜き底とは、2本のローソク足の安値がほとんど同じ値で止まっている形で発生するパターンのことを言います。
2本のローソク足に陰線や陽線の決まりはありません。
重要な発生場所は「安値圏」です。
投資家心理
下値を2回続けて挑戦したが「安値を更新することなく止められた」ということはここが底ではないか?と考えます。
安値圏で発生することにより、上昇方向へ転換していく可能性があります。
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FXで使う複数足分析【酒田五法】
酒田五法
- 三山
- 三川
- 三空(三空叩き込み・三空踏み上げ)
- 三兵(赤三兵・黒三兵)
- 三法
酒田五法は複数足分析でぜひ覚えてほしいパターンの1つです。
酒田五法とは?
酒田五法とは本間宗久という江戸時代の米商人が、現代で言うところの先物取引で分析するために考案した日本発祥の複数足分析法です。
名前の由来は諸説ありますが、本間宗久の出身地が現在の山形県酒田市であることから「酒田五法」と名付けられた説があります。
ちなみにローソク足も本間宗久が開発したとの説がありますが、これは確証を得ていません。
酒田五法もこれまで紹介した複数足とは少しパターンが違いますが、非常に参考になる考え方なので紹介します。
酒田五法は先物取引で考えられた手法のため、窓が開く形で解説する場合が多いです。
しかし、現代のFXにおいてはほとんど窓が発生しないため、FXでは窓ナシで使用します。
※解説も窓ナシでしています!
また、酒田五法は様々な解釈があるので、ここで解説する内容は1つの解釈の仕方と考えて読み進めてください。
三山
三山とは、ある一定の高値を上限として上昇、下降を3度繰り返すパターンのことを言います。
三山は他にトリプルトップとも呼ばれます。また、2つ目の山だけが高く突き抜けているものを三尊(ヘッドアンドショルダー)と呼びます。
どちらも重要な発生場所は高値圏です。
投資家の心理としては、上昇、下降を3回も挑戦して高値を更新できなかったことから、ここが天井だと判断して買いのポジションを決済します。
買い勢力の決済と新規の売り勢力が参入してきますので、下落方向へ転換する可能性があります。
三川
三川とは、ある一定の安値を上限として下降、上昇を3度繰り返すパターンのことを言います。三川は他にトリプルボトムとも呼ばれます。
また、2つ目の山だけが低く突き抜けているものを逆三尊と呼びます。逆三尊は他に(逆)ヘッドアンドショルダーとも呼ばれます。
どちらも重要な発生場所は安値圏です。
投資家の心理としては、下降、上昇を3回も挑戦して安値を更新できなかったことから、ここが底だと判断して売りのポジションを決済します。
売り勢力の決済と新規の買い勢力が参入してきますので、上昇方向へ転換する可能性があります。
三山と三川はセットで覚えると使いやすいパターンです。
三空
三空とは本来、3つの窓が発生し急騰や急落後の過熱感を示唆する値動きのことを言います。しかし、FXでは3つの窓は滅多に発生しませんので大陽線、または大陰線として考えます。
三空には2つのパターンがあり、三空踏み上げと三空叩き込みと呼ばれます。
三空は発生場所に関係なくパターンが出たら何らかの相場の急変があったので注意と覚えると良いでしょう。
また、三空が出現した際は基本的にテクニカル分析が効きにくくなるので、様子見に徹するパターンと言えます。
三空叩き込み
三空叩き込みとは、4本の陰線と3つの窓をあけながら下降したパターンのことで、急下落を意味します。
FXでは窓の部分まで陰線として現れますので、4本の大陰線となります。
投資家の心理としては、異常な急落なのでいつ急騰するか分からないという不安に包まれますので、売り勢力は撤退を考えます。
上位足で見たときに、長い下髭陽線になる場合があります。
三空踏み上げ
三空踏み上げとは、4本の陽線と3つの窓をあけながら上昇したパターンのことで、急上昇を意味します。
FXでは窓の部分まで陽線として現れますので、4本の大陽線となります。
投資家の心理としては、異常な急騰なのでいつ暴落するか分からないという不安に包まれますので、買い勢力は撤退を考えます。
三兵
三兵とは、トレンド初期に3本の陽線(緑)または3本の陰線(赤)が連続して発生したパターンのことを言い、トレンド継続のサインとなります。
三兵は次の2パターンあります。
名称 | 発生場所 | パターンの意味 |
---|
赤三兵 | 安値圏 | 上昇トレンド継続 |
黒三兵 | 高値圏 | 下降トレンド継続 |
それぞれの形と詳細を以下で解説します。
ちなみに「三兵」は発生場所が逆になると「トレンドの終焉」の意味を持つパターンです。
安易に「三兵が出た」で飛び乗らず、それまでの値動きを考慮することが使い方のポイントです。
赤三兵(発生場所:安値圏)
赤三兵とは、3本の陽線(緑)が連続して発生したパターンのことを言います。
安値圏で発生することにより上昇トレンド継続を表します。
投資家の心理としては、上昇トレンド初期に陽線が3連続で発生しているので、安心して買いのポジションを持ち続けることが出来ます。
ただし、上の図のように2本目、3本目の陽線に上髭が発生した赤三兵は「上昇トレンドが弱くなり、方向感が無くなってきている」場合は予想通り価格が伸びない可能性があるため注意が必要です。
黒三兵(発生場所:高値圏)
黒三兵とは、3本の陰線(赤)が連続して発生したパターンのことを言います。
高値圏で発生することにより下降トレンド継続を表します。
投資家の心理としては、下降トレンド中に陰線が3連続で発生しますので、安心して売りのポジションを持ち続けることが出来ます。黒三兵も赤三兵と同じく、進行方向のヒゲが長い場合失敗する可能性があるので、ローソク足3本の形の判断も重要です。
三法
三法とは、買いの勢力と売りの勢力が拮抗していて方向性のない状況のことを言います。
そのため、このパターンが出現した場合は様子見に徹する事が得策です。
ここでの三法の解釈は「決まった形ではなく、どのパターンにも当てはまらない相場状態」のことを言います。
本間宗久は三法を「買うも相場、売るも相場、休むも相場」を表す手法と言っています。
解らない相場に下手に手を出さず、休むことも一つであることを諭している、相場の本質を捉えた手法と考えてよいでしょう。
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FXで複数足分析する際の注意点
ここまで複数足の種類について紹介してきましたが、複数足を分析する際に2つ注意点があります。
複数足分析の注意点
- 複数足分析は1分足よりも5分足、5分足よりも日足で判断する
- 一度にたくさんの複数足分析を覚えようとしない
以下でこの注意点の詳細を解説するので。複数足分析を取り入れる際は気にするようにしてください。
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複数足分析は1分足よりも5分足、5分足よりも日足の方向性を優先する
複数足のパターンは、1分足にも日足にも月足にも全ての時間足で同じように発生します。
しかし、経過時間が増えるほどつまり上位足ほど複数足の効果は強くなっていきます。
思い出していただきたいのですが、ローソク足1本には投資家みんなの想いが詰まっています。
その思いは「上位足の方が大きい=根拠として強い」となります。理由は上位足(1時間足以上)を見て判断しているトレーダーが圧倒的に多いからです。
例えば日足で陰の包み線が発生した場合、相場は下落方向へ転換していく可能性があります。
この時1分足で切り込み線が発生したとしても上昇トレンドへ転換する可能性は低くなるわけです。
そのため、短期足で複数足分析を使う際には上位足の方向性を常に気にしなければ、予想通りの動きにならない可能性が高いことを認識して使う必要があります。
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一度にたくさんの複数足分析を覚えようとしない
複数足を分析する場合、1つのパターンを徹底的に分析することをおすすめします。
なぜなら、単純に訳がわからなくなってしまうからです。また時間的にも無理があります。
例えば、検証ソフトで過去5年間の過去検証を行うとします。
Aさんはこの記事で紹介してきた15種類の複数足のパターンが発生するたびに全てエントリーしながら5年間分の検証データを取りました。Bさんはこの記事の中のたくり線のみに絞ってエントリーしながら5年間分の検証データをとりました。
AさんとBさん、どちらがトレードで勝てるようになると思いますか?また、手法に磨きをかけようとしたときにどちらのほうが改善しやすいと思いますか?絶対にBさんだと思います。
Bさんはたくり線のみを5年間検証しているので、たくり線のスペシャリストになっています。さらに磨きをかけようとする場合も、たくり線のエントリー場所、たくり線のイグジット場所を厳選して分析していけば良い方向に改善できる可能性が高くなります。
Aさんの場合は何から手を付ければ良いかすらもわかりません。
どの複数足が良かったのか悪かったのか、そもそものエントリーが違ったのかなど、改善点を絞り込むことが出来なくなってしまうからです。
複数足パターンにはそれぞれの出現頻度や期待値があります。その違うものを一緒に検証しても本当に必要なデータはとれないわけです。
ではどの複数足から始めればよいかと言うと、これはご自身のスタイルによって変わってきます。
まずは、チャートのどの部分を狙いたいのか?をはっきりと決め、その上でまず1つに絞り込んで検証をスタートさせることがポイントと言えるでしょう。
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FXの複数足分析に関するよくある質問(Q&A)
最後に複数足分析についての質問にQ&A形式で回答していきます。
スキャルピングでも複数足分析は有効なのですか?
有効です。
有効ですが先ほども話したとおり、1分足よりも5分足、5分足よりも日足の方が強く効いてきます。そのため、より一層前提条件にこだわる必要が出てきます。
基本的には上位足でトレンドの判断、高値圏又は安値圏の判断を慎重に分析してからスキャルピングに落とし込むと良い結果に繋がるはずです。
複数足のパターンとインジケーターの数値とどちらを優先する?
複数足です。
手法の話になるとインジケーターやオシレーターのことばかりが注目されがちですが、本質は値動きにあります。
値動き、つまりローソク足が一番優先すべきで、次に補助的な役割でインジケーターやオシレーターが存在するというのが正しい順番です。
例えば「MAにタッチしたから買い」や「水平線にタッチしたから売り」ではなく「MAにタッチした後にこの複数足のパターンが発生したから買い」「水平線にこの複数足のパターンでタッチしたから売り」の考え方が正しいとなります。
あくまでも値動きが優先です。そして値動きの結果が複数足として形になります。
インジケーターやオシレーターでトレンドや高値圏、安値圏の見当をつけておき、その場所に来た時の複数足次第でエントリーするかしないかを判断する方法が確実です。
複数足の組み合わせでは同じ形でも名称が違う場合がありますがなぜですか?使い方が違うのですか?
名称が違っていても、使い方は同じです。
例えば「三山」は「トリプルトップ」、「三尊」は「ヘッドアンドショルダー」と呼びますが使い方は同じです。
名称はどの呼び方で覚えてもらっても、なんなら覚えなくても問題ありません。ですが、組み合わせの意味は世界共通のため、発生場所と形を優先して覚える事をおすすめします。
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まとめ
FXで最も大切なことは値動きの意味を考えることです。そして値動きを形にしたものがローソク足であり、複数足です。
複数足はどこで発生し、そこに何の意味があるのかを考えることが重要になってきます。
複数足全てのパターンを身につける必要はありません。まずはどれか一つだけに絞って、その複数足のみを深く深く分析してみて下さい。ローソク足1本1本には投資家の想いが詰まっています。1本1本にどのような想いが詰まっているのかを大事に考えながら深く分析して下さい。
ぜひこの記事を参考に複数足分析を理解して、あなたのFX人生が良い方向に転換していくために使いこなしてみましょう。
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