- 損切りについて
- 損切りのメリットについて
- FXで利益を出すために必要な損切りってどうやれば良いのか
FXをトレードしている方、またこれから始めたいと思っている方は、額の大小はあれども『利益をあげる』というのは全てのトレーダーの皆さんに共通する目標ではないでしょうか。そのためには注文方法やチャートの見方、手法など覚えることがたくさんあります。
いろいろな手法やテクニックあれども一番大事なのは『損切り』ではないかと筆者は考えます。FXに限らずトレードにはいつも必ず勝てる手法なんてありません。
もし『私は100%勝てます』とか『100%勝てる方法を教えます』というのは眉唾ものです。トータルで利益を出しやすい、出せるかもしれないという手法はたくさんありますが、100%勝てる手法というのはまず存在しません。
トレードをやっていれば必ず訪れる「損失」。どんな凄腕トレーダーでも必ず損失は経験します。大事なのは「損失を出さない」ことではなく、「損失が出た時に損失を必要最小限に抑える」ことなのです。この「損切り」を上手にできれば大切な資金、財産を守ることができます。特に初心者の方は、うまく「損切り」ができずに大きな損失を出してしまい、トレード自体を辞めてしまうこともしばしば見受けられます。
今回は、トレーダーにとって大切な「損切り」について詳しく解説していきます。
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目次
FXにおける損切りとは?
FXにおける「損切り」とは、保有しているポジションに損失が出た場合、そのポジションを解消して損失を確定させることです。
例えば米ドル/円が1ドル100円の時に、ドルが上がると見込んでロングで「買い」を入れたとします。しかしドルが上がらずに逆に下がった場合、今後もすぐには上がる気配が無いなと判断した時に、それ以上損失が膨らまないようにするためにマイナスを確定します。
これが「損切り」です。
もちろんそこから上がって「売らなければ良かった」という場面もあるかもしれません。また更に価格が下落して「あの時に損切りしておいて本当に良かった」という場面もあるかもしれません。しかしながら、大した根拠や確証が無く、上がるかもしれないという希望的観測でトレードをするのだけはやめておいた方が無難です。
きちんと利益が出せるトレーダーは冷静に損切りを行っています。結果論だけではトレードはできません。
勝率よりも回収率を重視
FXにおいて勝率はあまり気にする必要はありません。
例えば、アナタがFXトレードで5回ポジションを保有して4回利益が出て1回損失が出たとします。また別の日に5回ポジションを保有して1回利益が出て4回損失が出たとします。当然、前者の方が良いとは思います。しかし内容を見てみましょう。
- 前者 4回の利益合計10,000円 損失合計5,000円 トータル5,000円の利益
- 後者 1回の利益合計10,000円 損失合計1,000円 トータル9,000円の利益
これなら勝率は悪くとも後者の方が良いですよね。
もちろん、勝つことはとても大事ですがそれ以上に大事なのが「損失をできる限り小さくする」ことなのです。そのために「損切り」を最適なタイミングで行うのが必須となってきます。
FXのトレードにおいて「損切り」は非常に重要な手法です。これをきちんと行わないと勝てる取引も負ける取引に変わってしまいます。以下では損切りの方法やタイミングについて掘り下げます。
FX初心者は手法を覚える前に損切りを覚えるべき!損切りのメリットは?
損失を確定させると資金が減ってしまうじゃない?とお思いの方も居るかもしれません。しかし、「損切り」は貴方の大切な資金を守る手法なのです。先述した事例で、ロングで買いポジションを保有していた時、ドルが下がってもそこから上がる根拠があればポジションを保有し続けると思います。
でも、そこから更に下落したらどうでしょう?含み損は当初の何倍にも膨れ上がり、まだその時点で損切りできれば良いものの、「もしかしたら戻すかも」という根拠の無い希望的観測のみで保有し続けた場合、最悪のケースとして海外FX業者なら強制ロスカット、国内FX業者なら追証を要求され借金地獄という考えたくも無い事態に陥るかもしれません。
「損切り」はこういう事を防ぐために、自分の読みが外れた場合は早い段階で損切りを行い、大切な資金を守ることが必要なのです。「損切り」は損失を確定させるだけ、というネガティブなイメージではなく、『大切な資金を守り次の手を打つため』に行う手法なのです。
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狼狽しないために
FXトレードにおいて勝率100%なんてことはまずありえません。
相場分析をもとに予想を立てることしかできません。そのため、予想通りに相場が動いた場合は偶然にトレード手法が機能したと考え、逆に外れた場合は偶然にトレード手法が機能しなかったという考え方が必要かもしれません。
偶然にトレード手法が機能したとしてもそれが長期的に機能するとは限りません。相場の状況や自分自身の感情に左右されないようなトレード手法を生み出すしか無いのです。そして必ず損失が発生する時が来ます。その損失が発生した時にきちんと対処できるようにしなければなりません。
しかしながら、大きなポジションを保有している時に含み損が出たら、普通の人は焦ったり慌てたりしてなかなか冷静な判断ができないことでしょう。そういう時のために『逆指値注文』や『OCO注文』を活用しましょう。
逆指値注文(ストップ注文)とは
逆指値注文(ストップ注文)とは、その時点より不利なレートを指定して注文することです。通常の指値は、1ドル100円で買った時に1ドル101円になったら売る、という有利なレートを前もって指定して注文するのですが、逆指値注文(ストップ注文)は99円になったら売る、というような損切りラインを予め設定しておくことで、感情に左右されることなく損失を必要最小限に抑え、大切な資金を守れるのです。
OCO注文とは
OCO注文とは、現在保有しているポジションに対して指値と逆指値を同時に出す注文方法のことです。
例:1ドル100円で買いポジションを保有している場合、101円に上がったら売る指値注文と、99円に下がったら売る逆指値注文を同時に出しておきます。このとき、片方の価格で決済されるともう片方の注文は自動的に取り消されます。
OCO注文とはつまり、『利確』の注文と『損切り』の注文を同時に出すことなのです。一度OCO注文でエントリーしておけば、どちらかの指定した価格になって決済されるまで待つだけでOKです。
予め『利確』『損切り』ラインを設定できるので、決済のタイミングが掴みきれない人こそ積極的にOCO注文を使用してみてはいかがでしょうか。
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値幅で損切りの基準を設定しない
これは少し高度な損切りのやり方ですが、「値幅で損切の基準を設定しない」という手法もあります。
「あまり儲からないなぁ…」とか「利益が全然膨らまない…」と言っている人はこれに当てはまるかもしれません。「0.5円下がったら損切りする」等の値幅で損切りの基準を設定している場合、一見したらすごく理にかなった損切り手法に見えますが、その値幅で損切りを繰り返していると損失が大きくなってしまいます。そうなるときちんと損切りしているにも関わらずいつまで経っても大きな利益を手にすることが難しいと思います。
米ドルと日本円の通貨ペアの場合、ドルが0.5円下がったとします。0.5円安で損切りの基準を持っている場合、ここで損切りを行いますよね。でもここで相場が盛り返し、ドル高のトレンドになることも当然ながらあります。そうなった場合、損切りをしなければ大きな利益があがっていたはずなのに値幅だけで基準を決めて損切りを行ってしまったため、利益をつかみ損ねてしまったということになります。こんな事を繰り返していたらやっぱり利益はなかなかあがらないですよね。
なので、損切りの基準を決める時は、きちんとチャートを読み、テクニカルポイントを見つけてそのポイントを損切りポイントや利確ポイントにするべきなのです。だから損切りの基準は値幅ではなくトレンドが変化するであろうポイント(テクニカルポイント)で損切りの基準を決めましょう。
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スリッページや約定拒否には要注意
どうしてもFXトレードを行っていると、注文した価格で約定せずに不利な価格で約定してしまうことがあります。これをスリッページと言います。たまにツイッター等のSNSで「滑ったおかげで利益が吹っ飛んだ」的なツイートを見ることがあります。スリッページが発生した時に(約定が)滑るという表現をしているのですね。
また、悪質な業者の中には注文自体が成立しない、約定拒否されてしまうということもあります。これは国内FX業者の殆どが採用しているDD方式という取引方法に多い事例です。(海外FX業者はほぼNDD方式)
DD方式、NDD方式については他の記事で詳しく解説しているため、ここでは説明を省きます。DD方式ではどうしてもトレーダーの利益=FX業者の損失となるため、FX業者が大損するような注文は拒否するのです。酷い話ですよね。賢いトレーダーの皆さんはスリッページや約定拒否が起こらない業者を選びましょう。
先ほどスリッページについて説明しましたが、どんなに優良で信頼のおけるFX業者でも程度の差こそありますが起こってしまうことがあります。
これは指定した値段になったタイミングでFX業者からマーケットに注文が出されるため、相場が急変している時は注文のスピードが追いつかずにスリッページが発生してしまうというケースがそうです。なので予定していた損切り価格で約定せずに、より大きな損失が出ることがあります。
相場の急変は意外によく起こります。例えば週明けや休場明けの相場の時です。休みの間に相場が大きく動くような出来事や発表等があると、取引開始時の始値が休み前の終値から大きく離れたレートで取引が開始されることがあります。その時、事前に入れていた指値、逆指値注文によっては終値から大きく離れたレートで約定されてしまうことがあり、想定外の損失が出ることもあります。こればかりは防ぎようがありませんので、何か不穏な空気を感じたら一度ポジションを解消しておくということも時には必要かと思います。
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利益を出しているトレーダーは必ず損切りを行っている
ここまで、どれだけ損切りが利益を出すため、大切な資金を守るために必要な手法か説明してきました。
FX初心者はもちろん、プロのトレーダーにも「損切り」は必ず必要です。むしろ大きな利益をあげているトレーダーほど明確に損切りラインを設定し、確実に実行しているものです。彼らは『FXに勝率100%なんてありえない』というをよく理解しているからなのです。「損切り」は全てのトレーダーにとって必要な手法であり、まだ右も左も分からないような初心者の大切な資金を守る手法でもあるのです。
損切りにネガティブなイメージを持たずに予想が外れた時は素直に損切りしておきましょう!
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お祈りトレードは危険!
なかなか利益をあげられないトレーダーの中には「お祈りトレード」をしている方が居ます。
お祈りトレードとは自分自身の感情や本能に左右されるようなトレードの事を指します。損切りすべき状況でも、根拠がなく状況が好転する事をお祈りしながらポジションを保有し続け、更に大きな損失を被ってしまうのです。
損切りという行為自体には負けを認めるというネガティブな側面もあり、お財布だけではなくトレーダーの心に大きなダメージを与えるかもしれません。そのため、負けを認めたくないばかりに過去の似たようなマイノリティな相場を見つけだし、多くの傾向を見逃し、今回の相場をその例外的な相場に重ね合わせて、更に損失を上積みしてしまうかもしれません。
何度も言いますが「損切り」とは損をして下を向く行為ではなく、次に繋げるための手法です。うまく「損切り」ができるように、またどうしても感情的になってしまう方は先ほどのOCO注文をどんどん使ってみましょう。
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まとめ
ここまで「損切り」がいかに重要な手法であるか述べてきました。「損切り」にネガティブなイメージは無く、むしろ大きな利益をあげる準備と言っても過言ではありません。
その際、持っているポジションを全部切るようにしましょう。「ひょっとしたら…」とか「もしかしたら戻るかも…」という淡い期待は抱かないようにしましょう。
一度全てをリセットして次なる取引に備えましょう。そして損切りをきちんと覚えたら、次は損切りの基準を値幅ではなく相場のトレンドが変化するポイント(テクニカルポイント)で損切りしてみましょう。自分なりのテクニカルポイントを見つけることができたら、その先には明るい未来が待っていると思います。
どうかこの記事を見て今からトレードを始める方、既にトレードを始めている方、全ての方が適切な損切りを行って大きな利益をあげることを願います。
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